試さないで買うのは邪道?

バイオリンとか弓って試して買うべきと私も信じていました。多くの弦楽器専門店では1週間とか買う前の貸し出しは当然だったりします。うちでじっくり試して先生に見せて、なんならほかの楽器屋さんで意見まで聞いちゃうなんて人もいるんじゃないでしょうか。

 で、そうやって長く時間をかけたんだから、そのあとはハッピーエンド、と思いますよね。

 最近そうでもない、というか、楽器は一生ものという前提もなくなったな、気が付かされました。

 多くのお客様は、満足する方は一瞬で決めてずっと満足だし、色々散々捜し歩いてそれこそ何十本も試して長々借り続けて結局買って半年もしたら不満が出てくるなんて人もいます。その違いは楽器の違いとかそういうことよりもその方のアプローチ法な気がするんですね。そして、私たち楽器屋にはあまり色々できないというか。私の感覚だとあり得ないほどの数の楽器を試して決められない方は何を買ってもそのあと不満が残ります。

パッと決められる方のほうが不満は少ない。で、そういう方って決めちゃったら、ぐずぐず何度ももっといいものがあったんじゃないかと見まわさないことが多いです。決めたらそこで終わり、といいますか。なので、こういったら変ですけど、価格とクオリティーがマッチしていて好みに合っていたらそれでOKな部分もあるともいます。

 私も、パッと決めるほうです。以前は靴は絶対試し履きしてからと思っていましたが、最近は足にあう会社を見つけたので、そこからネット通販しています。100%の履き心地とは言えませんし、探したらもっと安くていいものがいっぱいあるのは知っていますけど、別にその気もありません。

 バイオリンも、私の靴の買い方みたいな方もいらっしゃると思うんですよね。バイオリンは、じっくり弾いて選んで、はもちろん正しいと思います。でも、それが物理的に難しい方や、無理ではないけどしたい気持ちがないという方もきっといらっしゃると思います。普通に数百万する時計や宝飾品はネットで買ったりする方もそれなりにいらっしゃいますしね。

 というわけで、セレナでもバイオリンの通販をはじめようかなあ、と思っています。試したい方は試すべきだし、セレナのクオリティーなら信用するよ、そこまでこだわらないし、という方はオンラインで注文いただけたらなと思います。

 まだ、システム上いろいろ整っていないので、カタログができた後もメールでご注文いただくことになりますが、皆様、世の中にはいろんな人がいるんだなあ、と温かいまなざしで見守ってくださいますよう、よろしくお願いします。

 

 

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