早いものでオランダ店が開店して3年たちました。
はじめの2年はとにかく不安ばかりでがむしゃらに働いていました。今、開店直後の自分に会いに行けるのなら、大丈夫だから安心して無茶はしないように、と言いたいところです。当時は本当にふと信号待ちに立ち止まっている瞬間ふっと風がふいてそのまま死んでしまうのではないかと思うくらいでしたが、今思うとそこまでしなくても大丈夫だったのになあ、なんて思ったりもします。
丸3年がたち、よくも悪くも安定したオランダ店です。そして安定したからこそ新たな課題というのも見えてきました。オランダには私世代で店舗を持っているのは、アムスに一軒と私だけ。多くは小さな工房を構えてやっています。店舗と工房ではお客様の求めるものが違います。店舗に行くのはある意味ふらっとも行ける。そして、幅広いサービス、品ぞろえが求められます。
アムステルダムの店はもうなんだかんだで10数年たっていてかなり有名になりました。セレナはそれに比べればまだまだ。でも、10年後にはアムスの○○とハーグのセレナ、という位置付けになっていくのだとは思います。というか、そうならないと困ります。
そこで、セレナは、何を目指していくのか。
ポジショニングの基本ですが、○○店と重ならず、なおかつ地元の工房と競合しない、そして、セレナ個人の強みが生かせる。
そうなると、スタッフが数人いる中規模店で扱っているものはわざわざプロが足を運びたくなるもの。有名なフレンチやモダンイタリーなんかがメインになるお店。なんというか、ちょっと高級店。オランダは世界から人が訪れるようなロンドンとは違うので、国内での市場に密着したサービスが求められますが、国内の市場というと10万ユーロがマックスぐらいですから、国内のハイエンドを目指す、という方向になります。
これが、2年前だったら、そうかもしれないけどそんなことできないよ!怖いよと思ったと思いますが、3年たった今はすとんと自分の位置ってそこなんだろうな、って納得できます。オランダ店の成長は決して早いものではありません。多くの同業は同じ期間で何倍の規模のお店に成長しています。でも、ひとつずつ確実に自分が納得して進んでいけば10年後20年後には今、想像もできなかった場所にきっとたどり着けることと信じています。
これからも、セレナを温かい目で見守っていただけると嬉しいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
Write a comment