今まで、正直言ってモダンイタリーには全然興味ありませんでした。対していい音でもないのに、馬鹿みたいに高くってっていうあれですね。名前にお金払うなんて、くだらないブランド趣味でみっともないくらいの勢いでした。
それが!
先週ロンドンで、超有名どころでもないモダンイタリーを何本か見て開眼しちゃったんですよ。まさか、この私がモダンイタリー万歳!になるとは正直自分でも信じられません。
なぜかって。
結構何本か1千万以下のモダンイタリーとフレンチを見ていたんですね。今までだったら断然フレンチ派だったんです。お値段のわりに音の深みもあるしパワーももちろんある。そして、フレンチ特有の響く感じ。ホールで弾いて聞こえる音っていうあれですね。
モダンイタリーも何本か試しました。こんなオレンジとか黄色とか風情のない楽器だけどそこそこよくできてるし、ちょっと試してみるかって感じです。
そしたら、ええ?何この響き!これ、プロ使えるよね?プロにこそ使ってもらう楽器だよね?演奏の幅が広がる性能!びっくりです。そんなわけで、片っ端からモダンイタリーを試したわけですが。まあ、たくさんいまいちなのもありましたけど、使えるモダンイタリーも大量に見つけました。
そんなわけで、モダンイタリー仕入れようかなあ、という方向転換ぶり。一つかなり気に入ったのがあったのでオーナーにオファーは出してみました。あまり期待できそうもない感触ですが、返答待ちです。
そして、そんなこんなでふと、思い出しました。なんで色々行く度、モリゾー仕入れてたのか。
10年くらい前はフレンチ弓にかなり懐疑的でした。モダンイタリーとおんなじでお値段ばっかり高くって、ジャーマンだって使える弓いっぱいあるのに!と。
それが、少しずつ、なんでフレンチが人気なのか、なぜモリゾーは名前とか取り外してもクオリティーで選ばれるのか理解していったんですね。
音が、同じ値段のイギリスの弓やドイツの弓と比べて断然華やかなんです。パンっと立ち上がる。細かいパッセージでもよく聞こえる。ドイツの弓はイギリスの弓の良さもあるんだけれど、やっぱりどこか違うんですね。
実際、いつも沢山ある弓の中で結局買いたいと思ったらモリゾーだった、っていうことだったんだよなあ、と改めて気が付いた次第でした。
24日(土)25日(日)は、そんな風に集まったフレンチ弓をお試しいただけます。ぜひ、皆様にもそうだよねえ、と感じいっていただけたらと思っています。
試奏会の詳細は こちらから。
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takashi ishizawa (Tuesday, 06 November 2018 02:36)
いつもFB拝見しています!イタリアのクレモナで工房を開いておられる「ガリッポさん」という方の10ページ以上のブログを拝見していて、やはり値段ばかり高いイタリアものに(特に19世紀前半)騙されずに、フランスの職人がストラドのコピーにしても1800-1880の間、ものすごく良い仕事をされているとの記載がありました。その時期ドイツは特に粗雑で探すのならフランス物ということでした!
イタリア・モダンでも工房によってはいい仕事をされているのでしょうね!