オランダは夏休みはしっかり6週間あります。
学校はもちろんのこと、プロオケも6週間は完全休業です。当然事務所も誰もいないし劇場も閉じています。
日本のオケ団員からしたら信じられないんじゃないでしょうか。6週間の夏休みはオランダ中のオーケストラの労働組合が勝ちとった全国共通の休みになります。
さて、そんな夏休み真っ最中のオランダでは日本ではありえない出来事が色々起こります。
先週はチェリストからフェスティバルの代行で急に明日からスイスに演奏旅行に行くことになったんだけど楽器がないの!と電話が。
まずは、盗まれたの?!と思ったわけですが、よくよく聞いてみると夏休み中はオケの楽屋に楽器は置きっぱなしなんだけど、劇場は閉じていて鍵を持っている人が誰もいない!ということ。
え!6週間楽器楽屋に放置ですか!?
日本人的には結構あり得ないんですけど。私が目をぱちくりしていたら、みんなそんな私のほうが信じられないそう。
いわく、夏休み中家に楽器持って帰って何するの?だそうです。
練習とか思った私は、貧乏性なんでしょうか。
そして、夏休みの暇を利用して、楽器を試しに来る人たちもいるんですが、プロとかコンセルバトリーの学生とかはみな、夏休み中で練習してないからレパートリーが少ない、といいます。
そうか、夏休みは楽器は弾かないのか。
プロも音大生も夏休み中は楽器はしまっておくものらしいです。夏休み頑張って弾くのはアマチュアらしいです。
音楽は芸術。練習ばっかりしてなくて世界を広げるのはとても大事だと思いますが、ほかのヨーロッパの国はどうなんでしょうか。
日本みたいに、音大生1日10時間練習してますっていうのもどうかと思いますが、オランダの練習しなさぶりも他人事ながら心配になります。
彼らは、コンセルバトリー卒業後、どうするんでしょうね。今のうちに世界を広げておいたほうが色々な仕事はできるのかもしれませんが、プロ奏者をめざすなら、旧共産圏とかアジア圏のがんがん練習してきた人と同じ土俵に立っていくわけですから、なかなか厳しい世界だな、と思います。
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