弓の性能って何?値段と関係あるの?古いと性能って落ちるの?
弓の道具としての性能を考えると、2つの側面が出てきます。
一つは、操作性。二つ目は、音。
まず一つ目の操作性ですが、いわゆるスピッカートが簡単とか、根元での返しがスムーズにいくとか、先まで吸いつきがいいとかそういうことです。
弓を試しなれると、操作性をチェックしやすい曲のリストとかできてきますね。この操作性のチェックですが、できれば曲の中でするといいです。よく、スタッカートとか飛ばしとかそれだけを単品で試す方がいらっしゃるのですが、実際は、そんなに単純でなく飛ばし&移弦とかコンビで出てくるので特に歯切れよく弾くのが苦手とか早い飛ばしが右手と左手でこんがらがってしまうとかいう人は、そのこんがらがってしまう曲で試すのが一番です。
ちょっとそれますが、この右手と左手がこんがらがってしまうのは、左手に理由があると思いがちですが、意外に弓が原因のことも多いです。
それから、忘れてはいけないのの一つが根元から先までスムーズに弾けるか。特に大音量でも負けず、ピアニッシモでもきれいに弾けるかは重要です。
操作性とお値段、どのくらい関係ありますか?
これは、だいたい2000ユーロ代になると、基本的な操作性のチェックポイントはクリアできることが多いです。
二つ目は、音。
音色は楽器で変わるものと思いやすいですが、弓でもかなり変わります。
音の深みとか、立ち上がりとか、切れの良さとか。この音色大事ですが、こだわるのは、操作性の最低限が抑えられてから、と思います。というのも、どんなにいい音でも扱いにくいと使えないので。
音量も弓である程度かわります。コシが強い弓ほど大音量の傾向はありますが、意外に遠くで聞くと変わらないことも多いです。こちらはプロでもない限りそこまでこだわらなくてもいいかもしれないです。
そして音色ですが、正直に値段と比例します。2000ユーロ代が操作性の最低ポイントとすると、そこに音色が加わってくるのが6000ユーロ代かなという感じ。そして、残念なことに高ければ高いほどいい音の傾向が強いです。なかなか、ほりだしっ物が見つけられない部分ですね。
この6000ユーロがどこから来るかというと、そこそこの古い弓と、一流の新作がこのくらいからだからということです。実際、多くのアマチュアがレベルアップの際に通るカテゴリーの一つですね。そしてプロの卵なんかだとッこの辺が入門用になることが多いです。
コシが強い、性能が良い的な見解が流れていたりしますが、コシの強さは、最終的には好みです。昔は安い弓にはフニャフニャのものが多かったのですが、今時は安い弓でもコシがしっかりありますし、気にしなくてよいかな、と思います。
さて、古いと性能が落ちるか。
基本的にまともな弓は落ちません。落ちるときはコンディションが悪くなって性能が落ちるときですね。これは、扱い方でかなり防げます。下手な職人に毛替えを頼まない。弾いたら、必ず毛を緩める。革がすり減ったらすぐに張り替えるなど。基本的なことを守って、大事に使っていたらあまり心配することはないです。だいたい、今まで100年間使われてきて、高性能と思う弓が自分が使う数十年で性能がガタガタになってしまうって変と思いませんか。
ただ、大事に使わないと一瞬で落ちます。使うときは次世代に繋げるつもりで大切に取り扱ってください。
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