先日FBの某弦楽器ページで、楽器を試奏する際の弓に関して色々と盛り上がっていて、なかなか楽しく読んでいました。
試奏には、最低、新作の最高峰クラスの性能のものを用意すべし、とか、性能と名前は関係ないとか、製作家のかた、一般のプレーヤーの方、色々な方が色々な意見を出していてとても興味深かったです。
皆さんの意見を色々見ていると、テーマは2つ。
1つ目は楽器を試すときに必要な弓はどんな弓なのか。
2つ目は、じゃあ、その弓の性能って何?というもっと根本的な疑問
この2つだったと思います。
今日は、ちょっと便乗して、1つ目の楽器を試すときに必要な弓ってどんな弓なのか、楽器屋の立場で書いてみたいと思います。
結論から言うと、楽器に対して妥当な弓で試すべし、です。
性能がいい、というかいい弓で弾くと純粋に良い音します。でも、10万円の楽器を買いに来た人に新作最高峰というと200万くらいの弓になりますが、そんな弓で弾いていただいても、ずるいって言われるのがおちです。ごもっともな意見です。だって10万のバイオリン買う人って1万か2万の弓買いますよね。とりあえず大きな欠点がなければOKレベルです。1万の弓で弾くのと200万の弓で弾くのでは、全然音違いますから。楽器屋でいい弓で弾かせてもらっていい音がでたからって買って帰っても、うちに帰ってから全然違うってことになります。サギみたいなものだ!って言われてもしょうがないです。私は、そういう時、いま、一緒に買うくらいの弓で試していただきます。だって、それが今、お買いになる真実ですから。
じゃあ、100万くらいの楽器だったら?手持ちの弓もしくは、弓も買う気ならその予算前後の中で一押しですね。手持ちの弓があまりにもひどい場合は、まあ、合わせて買うか、将来ステップアップに買うのによさそうな、40万くらいの弓で弾いてもらいます。やっぱり、新作最高峰には遠いですね。
逆にオールドイタリー試したい方に、新作とか出したら怒られます。うちには、ぺカットもトルテもありませんから、すみません、ご自身の弓でお試しください、ですね。オールドイタリアン買いたい人って最低でもサルトリークラスの弓はすでに持ってますから。変にうちの在庫でお試しいただくよりご自身の慣れた弓でお試しいただくのが一番です。
楽器屋の立場でいうと妥当な弓で試していただくのが一番。でも、いつも妥当な弓が在庫にあるわけではありません。なかったらごめんなさい、っていうのが正直なところです。
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