仕入れって、弦楽器業界に限って言えば、多分お店の本質の半分を占める分野じゃないかと思います。何しろ、骨董品メイン。もちろん、中には新作メインのお店もありますが、それはそれでお店の特徴ですよね。
骨董品といえば、一品もの。そして、なんというか、いかがわしい世界!
そんなものを、見つけて選んで、お客様にご紹介するわけです。これは、なかなか難しい。
そして、最近、ちょっと、方向性というか変えていこうかな、とおもっている部分があります。
今までの仕入れは、完全にお客様ありき。こういう弓が売れ筋だから仕入れる、というスタンスです。そこに、私が、ビビビっと来てしまった、これはちょっとすごいよ!という弓を加えていきたいと思っています。
今までは、いいなあ、と思っても絶対お客様がいる弓以外は仕入れなかったんですよね。実際、セレナバイオリンの在庫回転は、同業他社に比べて相当早いです。
そこに、ちょっと、これがセレナバイオリンなんです!っていう弓を加えたいと思っています。なんで、っていうと、そろそろ、そういう時期かなあ、というのもあります。そして、なんだかんだ言って、自分の直感を信じていいだけの経験ができたなという感覚ですね。
写真は、シモン F. R.。こちらの弓は、多分、以前だったら仕入れなかったと思います。でも、実際、今年仕入れた中で一番のお気に入り。ニッケルで、このフロッグのシンプルさ。でも、この竿のクオリティーは、弾ける人が弾いたらちょっとすごいものが引き出せる。何か、オーラがあります。
ギヨームみたいにあれば、必ず売れるっていう弓も必要ですし、実際、セレナバイオリンで扱うギヨームのクオリティーは、お客様に届けたい。
そして、そこにこのシモンF.R.みたいなのを少しずつ加えていけたらな、と思っています。
10年後には、セレナバイオリンの在庫リストは、名前とか、金べっ甲とかそういうのだけじゃなくて、セレナに行けば一本一本が、なるほどね、こうなるのか、これは手放せないね、といっていただけるようにしたいな、と思っています。
今までも、その値段の割にはおおっていう弓を仕入れていますが、これまでは、ニッケルは買わないとか、絶対スタンダードなものじゃないとだめ、とかいっぱい自分で規則を作ってたんです。それを取り払っていいものはいい、にしたいと思っています。
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